Cordaの技術的・ビジネス的なメリットがわかる。
はじめに
Cordaについて全4回の記事の第4回目です。Cordaを語る上でしばしば耳に入る「R3社」。今回はそんな「R3社」について簡単な概要(本当に簡単)と設立から現在までの動きをまとめてみた。
R3とは何か
簡潔にまとめると・・・
- ブロックチェーン・プラットフォーム「Corda」を設計、開発する企業
- 本社はニューヨークであり、他にロンドン、シンガポール、香港、日本(日本はSBIとの合弁会社)等にオフィスがある
- 2014年設立
R3の誕生から現在まで
2014年、当時バズワードになりつつあった「ブロックチェーン」の研究を開始するため8つの金融機関が集まり、R3はスタートした。
そして2015年9月、9つの金融機関が集まり、ブロックチェーンの金融への応用可能性を探る実証実験を開始した。
R3は当初、現在の「Corda」のような新しいブロックチェーンプラットフォームを作る予定はなかったとされており、Ethereumを活用したネットワークを構築するところから実証実験を開始した。その後、金融取引の要件を満たすブロックチェーンプラットフォームを見極めるため、当時存在した主要なプラットフォームを比較したものの、結論としてどのプラットフォームも金融取引の要件を満たさないといった結論に至った。金融取引に求められる要件とは一言でいうと「取引のプライバシー」であり、当時存在したプラットフォームはどれも参加者全員へのブロードキャストを前提とするものであったのだ。
そこでR3のメンバーである金融機関に所属する技術者たちは検討会を立ち上げ、金融機関が求めるプラットフォームを1から作り上げることを決議した。これが「Corda」開発のスタートである。
2015年12月にはR3のメンバーである金融機関は42社まで拡大した。
2016年8月には「Corda」のホワイトペーパーを公開、2016年11月に「Corda」のオープンソース化を行った。その後「Corda」のオープンソースの改善は続いており、2019年8月時点ではver4.1が最新である。
一方、商用利用のための非機能要件を備えた「Cordaエンタープライズ版」が2018年7月にリリースされ、以降、Cordaを本番環境で利用する事例が増えている。
所感
世界的、また最近では日本においてもブロックチェーンの商用利用の動きが活発になりつつある。そんな中、ブロックチェーンプラットフォーム「Corda」、またそれを設計・開発する「R3」の活躍に期待が膨らむばかりである。
<ご質問・ご要望の例>
- Corda Portalの記事について質問したい
- ブロックチェーンを活用した新規事業を相談したい
- 企業でのブロックチェーン活用方法を教えて欲しい 等々