Cordaの基本思想や開発方針がわかる。
はじめに
本記事はCorda、R3社について少しでも理解を深めていただくための全4回の記事の第1回目である。各回要点をまとめ、簡潔な記事であるため、ざっくりとCordaを理解したい方には参考になると考えている。
Corda(コルダ)の概要
エンタープライズでの利用に特化したブロックチェーン
Cordaとは一言でいうと、企業間取引を想定し、エンドユーザー目線からスクラッチで開発された唯一のエンタープライズ向けブロックチェーン・プラットフォーム(ミドルウェア)である。
R3は9つの銀行により設立され、またCordaは金融機関が求める要件に基づき設計・開発された。
それゆえ、金融機関向けブロックチェーンといわれることがあるが、Cordaは金融以外のすべての業界への適用もできる。
金融機関に求められる要件として、①プライバシーと②相互互換性があげられるが、これらの要件は一般事業会社が求めるものと何ら変わりがないからである。
いいかえると、金融グレードの高いセキュリティとプライバシーを備えたブロックチェーンを金融業以外の企業も利用できるのがCordaであるといえる。
ベンダーロックインの排除
Cordaには様々な特徴があるが、設計思想の根底にあるのは、金融機関等のエンドユーザーの業務要件に他ならない。
上記でも述べたように、Cordaを設計・開発するR3社はエンドユーザーである複数の銀行によって設立され、そしてCordaはエンドユーザーである金融機関主導で全くゼロの状態からスクラッチで開発されたブロックチェーンである。
それゆえ、エンドユーザーが望まない「ベンダーロックイン」を排除する考え方が設計思想として組み込まれており、この設計思想こそがCordaを特徴づけるものの大きな1つとなっている。
Cordaの基本思想について
Cordaは具体的には、社外の相手と取引(契約)・情報共有する場面において発生する認識、解釈のズレを失くし、業務効率の改善を図ることを念頭に開発・設計された。
例えば外国為替証拠金取引(FX)において、フロントの担当者同士は電話や端末を通して取引に合意する。
その後各フロントは取引内容をバックオフィスに連携し、社内において取引内容を保管する。
この時、各バックオフィスが正確に取引内容を保管できていればなんの問題もないが、実際はコミュニケーションのズレが発生し、同じ取引にも関わらず、各バックオフィスに保管される取引内容が異なる可能性がある。
それを防ぐため、各バックオフィスは認識相違がないか確認するため「コンフォメーション」という認識合わせを実施するが、このような作業は付加価値を生むものではない。
取引が社内にて行われていれば、電子化と情報の共有化でいくらでも対応ができるものの、社外を巻き込んだ取引においては対応できない。
しかし、Cordaを利用すれば、上記のような社外を巻き込んだ取引において発生する付加価値を生まない業務を削減できるのだ。
下記はイメージ図である。
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