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    Deep Tier Financing -売掛債権のトークン化-

    公開日
    Sep 12, 2020
    カテゴリ
    Blockchainのトレンドを知る
    タグ
    🏭サプライチェーン
    筆者
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    この記事で学べること

    ブロックチェーン技術を活用したサプライチェーンファイナンスの新しい取り組みやソリューション、特にCordaのユニークな設計とその実用例について学べます。

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    目次
    • ブロックチェーンで製造業を支える金融ソリューション on Corda — 後編—
    • 4.Deep Tier Financing ~サプライチェーンファイナンスの先へ~
    • 5.終わりに
    💁‍♂️
    こちらの記事は前半・後半に分かれております。 前半:サプライチェーン・ファイナンスってなに? 後半:Deep Tie Financing -売掛債権のトークン化-

    ブロックチェーンで製造業を支える金融ソリューション on Corda — 後編—

    ⬅️
    前半お記事はこちら 前半:サプライチェーン・ファイナンスってなに?

    サプライチェーンにかかわるお仕事をされたことのある方からすれば、「ブロックチェーンで発注書や請求書の情報を全員で共有してしまったら、川上のバイヤーが川下のサプライヤーの部品の原価を見れるようになってサプライヤーが困るじゃないか!」という心配も当然あると思います。しかし、Cordaはブロックチェーンでありながら全員ではなく取引の関係者のみに改ざん不可能な情報を必要な分だけ共有することができるユニークな設計をしています。なので、

    ・9月15日までにバイクのエンジンが2000個エンジンメーカーから納品される予定だ

    ・バイクのエンジンを構成するピストンは無事に8月1日にエンジンメーカーに納品された

    ・予定通りエンジンメーカーにピストンが納品されたこと自体はわかるが、原価はわからない

    といった仕組みを構築することも可能です。

    タイでは東南アジア最大の建材・素材メーカーがCorda上にB2Pという受発注プロセスの電子化ソリューションを構築しました。すでに5000社以上に導入されており、提携するサイアム商業銀行がサプライチェーン上の企業に売掛金担保融資を提供しています。

    また、横のサプライチェーンでは三井住友銀行がMarco Poloという貿易金融ソリューションを日本で展開予定です。紙中心だった貿易取引業務をWeb画面で完結させ、サプライヤーに運転資金ソリューションを提供する試みが、もう秒読みのところまで来ています。

    *B2P、MarcoPoloを下記にて紹介しています。

    (去年の12月作成で情報がかなり古いですが参考までに)

    ブロックチェーンはあなたの業界をどう変えるのか? -Corda導入事例-

    貿易、サプライチェーン、金融

    medium.com

    ブロックチェーンはあなたの業界をどう変えるのか? -Corda導入事例-

    4.Deep Tier Financing ~サプライチェーンファイナンスの先へ~

    今回紹介する『Deep Tier Financing』は、ブロックチェーンを用いたサプライチェーンファイナンスの1つの考え方です。

    主に階層構造になっている縦のサプライチェーンに向けたサプライチェーンファイナンスソリューションで、完成品メーカーの売掛債権をトークン化して下流のサプライチェーンに流通させることで、中小企業でも比較的低い利息で運転資金を確保できます。

    少し複雑なので以下の図を用いて順を追って説明します。主な登場人物はバイクメーカー、タイヤメーカー、ホイールメーカー、ナットメーカーに加えて銀行です。

    image

    サプライチェーンの完成品メーカー(ここではバイクメーカー)は分割可能な売掛債権トークンを発行します。

    金融機関はアプリの提供と売掛債権トークンの管理・償還を行います。

    電子化された売掛債権トークンは、アプリ上で銀行に提示すると現金に替えることができるし、そのまま同一サプライチェーン上の他の企業への支払いにも使えます。

    順番に解説すると

    ①バイクメーカーはタイヤメーカーのタイヤ代金請求に対し、銀行の提供するアプリを通じて売掛債権トークンを発行します

    ②タイヤメーカーはバイクメーカーの売掛債権トークンを銀行に売って現金を手に入れることもできますが、ホイールメーカーの請求に対しトークンで払うこともできます分割可能なので、一部を支払い、残りを現金にすることも可能です

    ③ホイールメーカーはバイクメーカーの売掛債権トークンを銀行に売って現金を手に入れることもできますが、ナットメーカーの請求に対しトークンで払うこともできます

    ④売掛債権トークンは償還期限が来たら自動で償還されます。

    例えば、通常の売掛債権融資であれば、ナットメーカーへの融資の利率はバイヤーのホイールメーカーの支払い能力を評価することで決められます。

    一方Deep Tier Financingではサプライチェーンの上から下まで、頂点の完成品メーカーの信用力をもって利率が決定されるといった特徴があり、川下のサプライヤーでも低金利で融資を受けることができます。

    金融機関は完成品メーカーのみ支払い能力を審査すれば、川下のバイヤー1社1社を審査する必要なくサプライチェーン全体に融資が可能です。

    Deep Tier Financingのもたらす嬉しいことを登場人物別に整理するとこんな感じです。

    image

    5.終わりに

    前編に書いたようにAmazonや楽天をはじめとしたIT企業は、蓄積されたデータを武器にトランザクションレンディング等で金融サービスをどんどん拡大させています。

    最近ではGoogleも銀行や保険のサービスに進出しており、伝統的な金融機関が保有する顧客情報基盤の優位性がゆらぎつつあります。

    10年後や20年後、日本を支える製造業の企業たちと取引をしているのは、長年をかけて関係性を築いてきた金融機関か、新興のIT企業のどちらになるのでしょうか?

    ブロックチェーンプラットフォームCorda上に構築された金融ソリューションは伝統的な金融機関にとって新たな武器になるかもしれません。

    三井住友銀行のように、未来に向けて走り出す金融機関がこれからどんどん増えてくることを祈っています。

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