R3が毎年主催するビッグイベントCordaCon2021で発表された保険・ヘルスケアの最新事例をご紹介
- はじめに
- 保険
- 1. 不正請求防止 -Defeating Double Dipping: A Collaborative Approach to Tackling Insurance Fraud-
- 2.保険領域のDLT活用について -Understanding the True Value of DLT in Insurance-
- 3.多国籍保険のリアルタイムペイメント -Multi-national Insurance Spotlight: Putting a Premium on Real-time Payments-
- ヘルスケア
- 1.ヘルスケア領域でのブロックチェーン活用 Blockchain for Healthcare: Use Cases You Should Know-
はじめに
Cordaの最新機能、最新事例、ロードマップなどの発表を行う年に1度の大イベント「CordaCon」が今年も開催されました。2021年は9月28日~30日の3日間に渡り、ロンドンとオンラインのハイブリット開催され、Corda 5.0プレビューや、最新事例紹介、秘密計算を実現するConclaveの紹介などが行われました。
本記事では、保険、ヘルスケア領域をテーマにしたセッションについて紹介します。
保険
1. 不正請求防止 -Defeating Double Dipping: A Collaborative Approach to Tackling Insurance Fraud-
保険会社同士がブロックチェーンを使い共同で不正請求を防ぐ方法について、オランダの大手保険AegonのAlexander氏とIntellectEUのChaim氏がディスカッションしています
不正請求を防ぐには、保険会社同士が契約情報の一部を共有することが必要ですが、契約情報は重要な経営資源であり、病歴などを含む契約者の情報はセンシティブな個人情報なので安易な共有は許されません。
IntellectEUの不正請求防止ソリューションであるClaimShareは、請求のあった保険会社間で公開可能な情報はCorda上で共有し、公開できないよりセンシティブな情報はConclaveを使った秘密計算で処理することにより、データを他の保険会社やプラットフォーマーに開示することなく比較検証ができます。
2.保険領域のDLT活用について -Understanding the True Value of DLT in Insurance-
保険領域のDLT活用について、R3 Head of InsuranceのVictor、Fardoe SoftwareのSoadad氏、reThought InsuranceのCory氏、Ledgertech AGのEran氏が対談しています。
保険のブロックチェーン活用のメリットとして、自動請求等によるカスタマーエクスペリエンスの向上、データソースの共有によるコスト削減、マイクロペイメントやスマートコントラクトを活用した新しい保険商品の開発を挙げています
3.多国籍保険のリアルタイムペイメント -Multi-national Insurance Spotlight: Putting a Premium on Real-time Payments-
多国籍保険のリアルタイムペイメントについて、B3iのAntonio氏、R3 Head of InsuranceのVictor、Chief Architect, Allianz Technology & Global Head of BlockchainのBob、Head Product Strategy and Commercialisation- PaymentsのMuneebが対談しています
※動画は後日公開のようです
B3iは世界の大手保険会社、再保険会社の共同プロジェクトで、Corda上に”Fluidity”という再保険プラットフォームを構築しています。
最近欧州で原子力保険プールの取り組みを行うリリースを出していました。
ヘルスケア
1.ヘルスケア領域でのブロックチェーン活用 Blockchain for Healthcare: Use Cases You Should Know-
ヘルスケア領域でのブロックチェーン活用について、3つのスタートアップがプレゼンしています
Tongadivは、GS1(サプライチェーンにおける流通システムの標準化や流通コードの管理及び流通標準に関する国際機関)の規格に準拠したトレーサビリティをヘルスケア、医薬品領域を中心に提供しています
Digipharmでは、医薬品や医療テックのサービスの提供価値に応じた支払いが可能になるプラットフォームを提供します。患者のデータや服薬記録を患者から収集し、医療機関や製薬会社、医療テックの会社と連携して支払い金額を決めるようです。
ProCredExは、遠隔医療における医療従事者の資格と技能の認定サービスを提供しています。
<ご質問・ご要望の例>
- Corda Portalの記事について質問したい
- ブロックチェーンを活用した新規事業を相談したい
- 企業でのブロックチェーン活用方法を教えて欲しい 等々