Corda5(Next-Gen Corda)のリリースのお知らせと、主なアップデートの概要
数字で見る次世代Corda
- 開発に3年
- GAリリースまでに4 つのベータ版をリリース
- 5億項目以上のテストを実施
次世代Cordaを開発した動機
R3 はDLT が登場したころから、お客様とCordaを使った取り組みを行ってきました。社会の問題を解決するにあたり、当初想定もしなかったCordaの使い方を見ることもありました。しかし、これらのケースの中にはCorda 4 のアーキテクチャを変更するだけでは、解決できないものもありました。
そのためプロダクトチームは次世代 Corda がどうあるべきかというビジョンを議論しました。そして、金融市場インフラストラクチャ、デジタル資産、デジタル通貨だけに適合するCordaでなく、より多くの活用用途にも適合するCordaを開発しました。
次世代Cordaとは?
次世代といっても、今までのCordaと全く異なるものではありません。
開発・テストがしやすいようにCorDapp API にいくつかの改善を加えましたが、この改善は既存の CorDapp 開発者にとって大きな変更ではないはずです。Corda Flowモデルや、UTXO 、スマートコントラクトも以前と大きく変わりません。
特徴①:高可用性・スケーラビリティの拡張
エンタープライズ利用されるアプリケーションは、稼働時間とスケーラビリティに対して厳しい要件があります。次世代Cordaでは、「1ノード1JVM」から「1ノード複数ワーカー」を立てることで高可用性と水平スケーリングを可能にしました。
特徴②:マルチテナンシー
1ユーザーが複数のノードを管理するケースも想定し、「1コンピューター1ノード」から「1コンピューター複数バーチャルノード」を可能にしました。
特徴③:ネットワーク間の相互運用性
Cordaとイーサリアムなど、他のブロックチェーンネットワークと、アトミックなDvP(Deliver versus payment)ができるようになります。また、R3は他のブロックチェーンとの相互運用性を加速させるために、Hyperledger Lab Harmoniaを立ち上げました。
特徴④:REST API
https 経由の標準 REST インターフェイスを使用して、クライアントアプリとCordaシステムの通信を可能にします。あらゆる種類のアプリケーションやワークフローに簡単に統合できます。
特徴⑤:その他
・ネットワーク上のメンバー管理 (Membership Group Manager)
・Cordappインストール後のほかのノードと通信の容易さ・データベースやノータリーがカスタム実装可能・コンテナ技術やKubernetesでの運用がより容易に
開発者ファースト
次世代Cordaでは、Cordapp開発者をペルソナとして想定しています。統合を容易にするために REST API を導入し、テストしやすくするためにCorDapp API を改善しました。Corda ネットワーク全体を容易に運用でき、ローカル開発環境から簡単に実行することもできます。
次の開発ビジョン
R3は大規模な分散アプリケーションをサポートする準備をしています。お客様のフィードバックを受け次世代Cordaをより良いものにしていきます。
次世代 Corda は2023年7月25日よりお使いいただけます。Corda アーティファクトからダウンロードし、 Corda ドキュメントで詳細を学び、無料で開発をお楽しみください。
<ご質問・ご要望の例>
- Corda Portalの記事について質問したい
- ブロックチェーンを活用した新規事業を相談したい
- 企業でのブロックチェーン活用方法を教えて欲しい 等々