R3が毎年主催するビッグイベントCordaCon2021で行われたCBDCに関する動向やR3の取り組みが学べます。
はじめに
Cordaの最新機能、最新事例、ロードマップなどの発表を行う年に1度の大イベント「CordaCon」が今年も開催されました。
2021年は9月28日~30日の3日間に渡り、ロンドンとオンラインのハイブリット開催され、Corda 5.0プレビューや、最新事例紹介、秘密計算を実現するConclaveの紹介などが行われました。
本記事では、中央銀行デジタル通貨(CBDC)をテーマにしたセッションについて紹介します。
1. デジタル通貨サンドボックス紹介 — Intro R3 Sandbox for digital currency
R3社が昨年よりCBDC Working Groupを中央銀行や商業銀行、ITベンダーを集めて開催してまいりました。そこでのディスカッションをベースに作成したのが、デジタル通貨サンドボックスです。このセッションではR3がSandboxを作成した背景や機能の説明、今後の開発スケジュールなどを紹介したあと、実際にSandboxのデモをご覧いただきます。ホールセールCBDCの発行、移転、償還という基本機能や銀行間での債券とCBDCのDVPのデモ、続いて最近追加されたリテールCBDCの取引、流動性の管理などの機能をデモいたします。
2. CBDCの基礎— CBDC 101 to 404
中央銀行デジタル通貨とは何か、何を目的としているのか基本的な概念からR3が各国の中央銀行とやってきたこと、そして最新の状況までをR3のデジタル通貨担当者が語ります。CBDCはビットコインのような暗号資産やでなく、安全な資産に裏打ちされており、いろいろな用途・種類があります。一般利用型CBDCやホールセールCBDC、クロスボーダーCBDCなどがあり、物の売買の決済でなく、新しい決済プラットフォームを提供します。既存決済手段やデジタルマネーとの違いを説明します。
3.CBDCの処理性能とメンテナンス
CBDCの通貨トークンとして代替可能トークン(FT)がいいのか、非代替トークン(NFT)がいいのかをパフォーマンスの点から検証します。発行するトークンの数の違いによってFTとNFTでどのようにパフォーマンスに影響を与えるのかを実証実験のデータを元に検証します。またパフォーマンスに影響を与えるバックチェーンの増加を抑えるにはどうするのか見ていきます。次に取引が連続した場合、パフォーマンスを維持するにはどうしたらよいのか、トークンの再発行の方法を見てきます。Cordaの機能を活用しながらパフォーマンス劣化を防ぐシステムメンテナンス方法を解説します。
デモにつきまして日本語字幕をつけたものもご用意しております。是非こちらのサイトにアクセスください。
ホールセールCBDC基本デモ(日本語字幕付き)
一般利用型CBDC, ダイナミック流動性管理の機能デモ(日本語字幕付き)
<ご質問・ご要望の例>
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